工場生産技術の備忘録

工場で働くこと、自分の趣味について

工場で働く 現場との付き合い方について

工場で働くと、現場や現場出身者の上位職種と一緒に働く機会が増えてきます。

なので、仕事をうまく進め、楽しくやるために、ある程度現場とも仲良くなることが必要になります。そんな彼らとうまくやる方法です。

現場と仲良くやる方法

ずばり彼らの仲間、味方であることをアピールしてあげることです。当たり前といえば当たり前ですが、大卒で工場に配属となると面喰らうかもしれません。

①元気よくすること

社会人として当たり前かもしれませんが、工場は体育会系の傾向が強いです。なので、挨拶は自分から積極的に行い、イニシアチブを取りましょう。強面のおっちゃんも、仲良くなると笑いながら挨拶してくれるようになりますよ。

②相手を尊重すること

これも普通の人間関係でも当たり前のことですが、相手のことを尊重してあげてください。話が長いな、前にも聞いたな、全然共感できないなって話にも、ちゃんと乗ってあげるってことも重要です。ただ、深入りすると週末にギャンブルに行こうとか、いいデリヘルがあるとかのお誘いもあるので、そこは適度に線を引きましょう。

また、褒めることも重要です。特に何か不具合を見つけてくれたり、改善の提案をしてくれたら、まずはお礼とその着眼点を褒めてあげてください。そうすることで、彼らの意識が高くなり、自分でやっていた仕事を彼らが率先してやってくれて、仕事が減って楽になったりします。

③何かしらの共通の時間(趣味)を持つ

上でも書いていますが、工場作業者のイメージで、たばこ・パチンコ・酒・女の話をしておけば良いといわれていますが、7割くらい本当です。最近はおとなしいタイプの作業者や監督者もいますが、やはり先輩方に感化されるためなのか、上の趣味が広がっていく傾向があります。

特に職場で交流を深めるという点では、タバコ休憩が有益です。工場上位層や中堅現場監督者の多くは喫煙者です。多分彼らには多くのストレスがかかっているのでしょう。休憩時間になると、かなり多くの人がニコチン補給という名目で、喫煙所に集まってきます。

なので、工場で働く中で、何かしら今後アクションを仕掛けたい時は、喫煙所に話しにいくとスムーズに行けます。自分は喫煙自体が体質的にダメなため、喫煙所で一緒に缶コーヒーを飲んだりして話をしています。副流煙がそもそも無理な人には厳しいかもしれませんが、割とオススメです。

仲良くなるとどうなるか?

仕事面

現場の方と仲良くなると、現場に依頼する仕事はスムーズになります。何かトラブルが起きた時も、自分を信頼してくれているため、苦情や文句も少なく、時には率先して手伝ってくれたりもします。また、製造の横の繋がりを通して、いつの間にか名が売れていて、色々と意見を求められるということもあったりします。(これは特殊なパターンですが)

プライベート面

監督者クラスと仲良くなると、職場のイベント、例えばBBQに呼ばれたりします。就職を機に一人暮らしをして、こちらでの友達もまだ少ないうちには割と参加していました。

また作業者クラスの子(特に入社2~3年目)と仲良くしていると、いろいろと飲み会や合コンのお誘いなどもあったりして、地元の若い女の子を紹介してくれたりします。特に工場がある地元の子はその会社のことを知っているので、割と興味を持ってくれたりもします。

まとめ

工場で働くというのは、今までのジャンルであまり関わらないタイプとの出会いの場でもあります。肝さえ押さえておけば仕事もやりやすくなるので、積極的に仲良くなりましょう。

 

自動車業界の生産技術とは?不人気だけど個人的にはわりと好きです。

こんにちは。

自動車業界で生産技術をしているmuraです。

生産技術を始めて早5年になります。

設計志望で意気揚々と入社したのに、配属が生産技術と聞いて「こんなはずじゃなかった・・・」となっている新入社員も割といるのではないかなと思います。

「生産技術」で入力すると、サジェストに「きつい」と出るこの職種。そもそもどんなことをする仕事なのか、ということも踏まえて説明します。

生産技術とは何ぞや?

自動車に関わらず製造業には、商社・卸売り業に存在しない、製品設計と製造の二つの職種があります。

簡単にフローでわけるとこんな感じです。実際にはその他いろいろな業種がありますが。

 

お客さんから仕事を受ける→営業

お客さんの望む製品の機能を考え、図面を作る→設計

図面を元に、実際に売る物を作る→製造

お客さんに販売する→営業 

といった流れになります。

 

製造業に携わったことが無い人はあまりイメージがしにくいかもしれませんが、設計されたものは基本的には図面という形ででてきます。ただ、図面があったら物を作れるというわけではありません。

例えば、

・大きな鉄の板から、欲しい形状を切り出す

・欲しい形に樹脂を溶かして形を作る

・部品を取り付けるために、ねじを締める

・お客さん指定のマークをつける

などなど・・・

 

これらは、「製品を作るための生産設備」で作られています。

その生産設備を準備するのが生産技術という役割になります。

 

生産技術は製品設計と製造を結ぶ仕事をしているといえます。

 

生産技術は人気が無い?

自分が就職活動で何十社か受けていた時に、希望職種別に内定通過率が一番高かったのが生産技術でした。(時点で品質管理系)

受かりやすい=離職が多い、仕事が多いとのイメージや、大学のOBや直近先輩には割と激務であるとは聞いていました。

ただ、若くして海外に行けたりするとか、ト〇タものづくりの歴史を聞いたりすると、「やっぱり日本の製造業は工場だな」と思うようになり、生産技術もいいんじゃないかなと思い、就職を決めました。

 

実際に入ってみてどうだったか?

結論としては、メーカーの同期の中でも仕事は割と多く、

「最悪だ」と「楽しいな」が交互に来るような感じです。

総合的には10段階の6~7くらいの満足度です。

通常の仕事とイレギュラー、休日の観点で見ていきます。

通常の仕事面

生産技術の基本フローは、下のようになります。

①設計・製造要望を吸い上げる

②設備仕様の検討

③予算取り

④設備調達

⑤設備調整

⑥立ち上げ・バグだし

⑦製造移管

これをぐるぐる回すようなイメージです。この他にも、各設備ごとの不良や設備停止を少なくしたりとか、海外拠点へ出張・支援などをして、会社として効率よく物を作れるようにしていきます。

特に新しい設備を準備する時は、自分のアイデアを形にできたり、普通の人生では動かせないような金額(10億円単位)を動かせたりします。このサイクルが上手くいっている間は非常に楽しく、やりがいがあります。最近ではIoTや協調ロボットを導入をする機会もあり、いろいろな製造関連の技術を見ることもできます。

イレギュラー

上記のフローが正しく回らないときは、よく地獄を見ます。

例えば

設計が持ってくる正式な図面が、設備調達後に大きく変わっている

設備業者が作った設備が納期に間に合わない、動作に不具合がある

作った製品に品質不具合が出て、早急に対策が必要となる

設備が故障したが、保守メンバーで対応できないから呼び出される

などなど、生技としたら悲鳴や怒号も上げたくなる案件はキリがありません。これが、通常業務の負荷が下がらずにやりきらないといけないことが多々あります。場合によっては、通常業務すらもう何が何だかというレベルまで膨らみます。

休日面

休日出勤や長期連休を返上して仕事をすることが結構あります。というのも、工場が止まるのは製品の製造が止まっている時。つまり世間一般の休日です。そのため大規模な改造や設備設置となると、GWや夏・冬休みなどの長期連休が取れないときもあります。昨今は労働組合が強い自動車業界では、総残業時間や振替休日・有給取得管理がかなり厳しくなっており、そこまで異常な労働は無くなっています。(部署の長老クラスに聞くと、若い頃は150~200Hの残業が普通だったとか・・・)

自分も振替休日や有休で一人で海外にいったりもしていました。それもあって、休みが毎週土日の彼女は作りづらい。生産技術の彼女が不定期休みが多いのは相関がある気がします。特に看護師。

工場で働くのってどうなの?

安全

生産設備の種類にもよりますが、痛み無く死ぬことができる設備は工場内に多々あります。また自分が調達した設備で安全面に不具合をだし、作業者にケガなんて起こしたら、精神的にもタダではすまないと思っています。

ただ最近の工場は、安全性を考えたライン設置を求められているので、基本的には生産技術部+他部署(安全)などの目が入るため、わりと安全面は良くなっています。

とはいえ、危険な行動をしないためにいろいろな方法をとったりしています。それはまた機会があれば記入をしようかなと思います。

工場環境

基本的には金属の加工関連の現場の空気は悪いです。削りだしをしているところは特殊な油の匂いが充満しています。肌荒れや、鼻毛が濃くなる人も多いです。逆に精密機器や電子部品・食品を作っている工場では、一定のクリーン度が求められるため一般的なオフィスより綺麗ともいわれています。

工場立地

田舎を許容しなさい。

まとめ

ざっくりと書いてみました。個人的には面白い仕事だと思っていますが、書いてみるとネガティブなことが多い気が・・・?

生産技術の詳細な業務や楽しさに特化した話は、また書いてみようと思います。